第4章 黙祷:ジャーファル
ジリリリリリリ!
突然政務室に音が鳴り響く。
ガンッ。
その後すぐ、何かを荒くたたく音も。
それと同時にさっきまでなっていた音がやむ。
「なんです、今の。」
もちろん音に驚いたジャーファルは顔を上げ手を止める。
そしてすぐ、音の正体がわかった。
目覚まし時計だ。
普段あるはずのない時計がおいてあった。
起床もなにももう全員おきているんだけど、と思いながらも、ジャーファルはすぐそばで仕事をするセリシアに声をかける。
「これ、あなたが持ってきたのですか?」
しかし返答はない。
普段比較的早い返答をするセリシアだけに、気になった。
「セリシア?」
見れば下を向いて身動き一つしない。
・・・いや、顔を伏せている?
体調でも悪いのかと考えるが、目覚まし時計を素早く止めたのは彼女。
そんな急なワケがない。
そのまま見続ける。
そしてそろそろ一分、というとき。
セリシアが顔をゆっくりとあげた。