第6章 分隊長の恋/ジャン
別々に風呂を済ませて自室に移った俺達は明日に備えて早めに寝ることにした。
俺は朝から新兵の訓練を見なきゃいけなかったし、勿論その訓練にはも参加しなきゃいけない。
遅刻なんてしようもんなら怖い兵士長からの鉄拳制裁が降り注ぐだろう。
『兵長って本当に顔怖いですよね』
「あれで居て案外面白い人なんだぜ」
『えー信じられない』
シングルベッドで肩寄せ合ってする他愛ない会話。
俺の腕枕に収まる彼女は兵長の“すべらない話”にクスクスと笑っている。
殺伐とした兵士としての日常に、パッと咲いた幸せの花。
を失いたくない。
口をついて出る冗談とは裏腹に俺の胸は張り裂けそうだった。