第6章 分隊長の恋/ジャン
大体予想はついていた。
同期の間じゃ俺は“ジャン坊”だの“オムオム”だの散々な言われようだし。
思春期の頃はそれこそ変なあだ名が広まるきっかけになった母が憎かったけど、今じゃそんな感情も消え去っている。
「母さん……俺、もう大人だから」
それでも一応彼女の前だし名誉の為に呆れた声を出してみせて、俺はを母に紹介した。
『たっ……キ、キルシュタイン隊長と!お付き合いさせて頂いています!』
宜しくお願いします‼︎
馬鹿でかい声と勇ましい敬礼で述べたはさすが兵士と云ったところか。
彼女は調査兵。
その事をまざまざと見せ付けられたようでチクリと胸が痛む。