第1章 SHE IS MY.../ジャン
一目見た時から惹かれていた。
ミカサではなく、
のことだ。
自分は眼で恋をする生物なんだと思う。
女に惹かれる時は大抵一目惚れが多い。
ジャンは馬車に揺られながらそんな事を考えていた。
「おい……聞いてんのかよ、ジャン!」
意識を兵舎に残してきたに飛ばしていたジャンは戦友の声に引き戻される。
向かいに座っているのはコニー。
偉くなったもので今や副隊長だ。
「あー悪い、聞いてなかった」
適当な返事に憤慨する坊主。
さっきからサシャがどうとかエレンがどうとか、同期のすべらない話を延々撒き散らしている。
「(は今頃……ああ、確か馬術訓練だったな)」
この後、ちっとも話を聞いてもらえない事にコニーがブチ切れたのは言うまでもない。