第5章 オトナになろう/エレン
気付けば俺はとのキスに夢中になっていて。
彼女の切なげな表情とか、
時々漏らす可愛い声とか、
その全てを俺の物にしたいと思うようになっていた。
『ん、ぅ……も、駄目…っ』
程なくして膝の力が抜けたように崩れ落ちた。
涙で潤んだ瞳が堪らない。
沸々と湧き上がる興奮はどうしたって下半身に血液を集めていく。
俺は熱くなった自身を悟られないようにと、若干腰を引いて彼女の身体を抱き留めた。
「大丈夫か?」
『……うん』
所謂お姫様抱っこの状態で林道を歩く。
初めてが野外って云うのはなんだか気が引けたからだ。
確か鍵の壊れた倉庫があるな……などと云う事に頭を巡らせて、俺は来た道を戻るのだった。