第5章 オトナになろう/エレン
とは付き合い始めて二ヶ月になる。
訓練兵に志願した時からお互いに気があるのは分かってたけど、中々告白には至らなかった。
『偶然だね、何してるの?』
二ヶ月前。
彼女から告白してきた時は本当に驚いたし、自分のヘタレっぷりに落胆したのを覚えてる。
「あー……ちょっと、夕涼み」
その時だって散々言われたんだ。
“女から言わせるのかよ”
“男から告るもんだろうが”
“ヒヒーン”
ジャンには何を言われても馬の鳴き声にしか聞こえない……と云う冗談はさておき、俺はある種の決意を胸に秘める。
上等だ。
やってやろうじゃねえか。
俺がヘタレじゃないって事を思い知らせてやる。
そんな自分勝手な決意と共に俺はを散歩に誘うのだった。