第5章 オトナになろう/エレン
その後はもう散々だった。
「おいおい!マジかよ!」
コニーがデカい声で喚き散らしたせいでライナーとベルトルトまで加わって。
「エレンお前それでも男か⁈」
「案外ヘタレなんだね」
クソ。
好き勝手言いやがってあいつら。
唯一の救いはジャンが居残り中でいなかった事だ。
あの野次に馬が混ざってたら確実にブチ切れてただろう。
「はー……ったく」
これでもかと同期の奴等に“未卒業”を弄られた俺は、自室には戻らず兵舎近くで夕涼みをしていた。
火照った体に夜風が気持ち良い。
『エレン?』
聞き覚えのある声。
そちらを見やると同じくシャワー後のが歩み寄って来る。