第5章 オトナになろう/エレン
「お前、彼女とはもう済ませたのか?」
ある日の訓練後。
蒸し暑いシャワー室。
向かいで体の汗を流しているコニーは興味津々と云った様子で尋ねてきた。
「済ませたって……何をだよ」
濡れた髪を掻き上げて言葉を返す。
なんとなく何の事か分かってるけど、分からない振りをしておいた。
「決まってんだろ、セックスだよ!セックス!」
やっぱりか。
俺は思わず溜息を吐く。
先日ジャンの馬鹿にも同じような事を聞かれたけど、こいつらヤることしか頭に無いのか?
まるで盛りのついた猿だな。
「したのか⁈ どうなんだよおい‼︎」
鼻息荒く問うコニーは物凄い剣幕だ。
ちょっと気持ち悪い。
「……してねぇよ」