第4章 壁に耳あり/沖田
『ん、ぅ……っ』
落とし前。
彼の言うそれは当然の如く“身体で支払う”という意味で。
「声我慢しろよ」
深いキスで私を虐め始めた総悟は楽しげな声を出した。
着物の裾を割る骨張った指。
刀傷だろうか、手の甲に生々しい切傷がある。
『ど、したの……それ』
私は総悟のキスに身を委ねつつ問う。
「ちィと仕事でな」
彼は決まって多くを明かさない。
以前、十針も縫う大怪我を負った時だって何も話してくれなかった。
真選組が危険な仕事をしているのは理解してるつもりだけど、でも。
『心配……なの』
不安そうに呟くと総悟は額をコツンと合わせて甘い言葉を紡いでくれる。
「何も、心配する事なんざねェよ……お前は黙って俺に愛されてな」