第2章 芍薬の蜜/銀時
「が誰を好きでもいい」
絡まった糸が解けていくように。
「絶対俺が幸せにしてやるから」
坂田の言葉が傷付いた心に染みていく。
『あぁ……っ』
「すげ……、濡れてる…嬉しい」
すぐに忘れられるモノでもない。
一生忘れられないかもしれない。
「中も触っていい?」
それでも、
どういう訳か。
この男に愛されてみようと思った。
「の中あったけェ」
まるで硝子細工でも抱くかのように私に触れる大きな手。
はだけた黒地のインナーから覗く古傷だらけの胸板。
見かけに寄らず繊細な愛撫はなんだか心地良くて。
「挿れたい……イイ…?」
『……うん…』
桃色に濡れた私に自身を埋める坂田は独り言のように呟いた。
「幸せ」