第2章 芍薬の蜜/銀時
恋は盲目だ。
どうしようもない程に。
『んん…!あ、ぁん……っ‼︎』
それは人を狂わせる。
まるで麻薬のように。
「っ……や、ば…お前ん中、マジで気持ちイイ…ッ」
もっと私を見て。
もっと私を愛して。
何もかも、忘れさせて。
『ふ…ぁっ、もう……イ、くぅ』
「俺も……っイク…!」
此処は色欲にまみれた夜の町。
布一枚挟んだ向こうでは、
恋い焦がれた男の声が響き続けている。
『はあ……っ銀、さん』
「…愛してる……もうお前は俺のモンだ、絶対誰にも渡さねェ」
恋は盲目だ。
狂おしい程に。
そして、叶わないからこそ……また更に情熱は燃え上がるのである。
[芍薬の蜜]完