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[銀魂]夢問屋-R18-[進撃]

第2章 芍薬の蜜/銀時


キン……ッ
何処ぞの金持ちから貢がれた高級ライターを鳴らした。

そっと手を添えて火を差し出せば、土方さんは慣れた様子で顔を近付けてくる。

『(……相変わらず綺麗な御方)』

切れ長な瞳に思わず見惚れたのも、
束の間の夢。

煙草に火が灯るや否や愛しい黒髪は離れていってしまう。

『薄め?それとも、濃いのがイイ?』

寂しさを紛らわす為に話題を変えた。

真選組の名が書かれたボトルに手を掛けて、もう片方で空のグラスを引き寄せる。

『氷は入れないんですよね?』

一瞥をくれる鋭い眼差し。
もっと見ていて欲しいのに、すぐ逸らされてしまう。

「いや……今日は飲まねェ」

上の接待だから。
俺が酔う訳にゃいかねェだろ。

不機嫌そうな彼は溜息をひとつ。
咥え煙草に目を細める仕草が堪らない。

喉から手が出るほどこの人が欲しい。

しかし、それが叶わぬ恋であることは自分が一番良く分かっていた。
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