第8章 痛いのがお好き/兵長,ジャン
「言っただろう。お前への罰だ」
俺を縛り上げた兵長は向かい側にあるベッドに腰を下ろして足を組んだ。
暴行した上で椅子に縛り付けるのが罰?
それともこれからもっと酷い拷問を加えるつもりなのだろうか。
ゴクリ。
この先待つであろう壮絶な痛みに生唾を飲み込んだ、次の瞬間……俺は自身の予想が見事に外れたことを悟った。
『……兵長』
静々とドアを開けて顔を覗かせたのは他の誰でもないマイスウィートハート……じゃなかった、さんだったのだ。
「、さん……?」
驚きのあまり声が裏返った俺を一瞥してさんは兵長の側へと歩み寄っていく。
何が始まろうとしているんだろう。
そんな呑気な考えを巡らせた時には、
既に兵長による“罰”は始まっていたのであった。