第8章 痛いのがお好き/兵長,ジャン
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『あっ……ん、ぅ』
信じられなかった。
兵長が俺に与える“罰”とは“俺の目の前でさんを犯すこと”だったのだ。
「……っ」
悔しさ。
怒り。
悲しみ。
色んな感情がグチャグチャになって眼前の映像と共に脳内を駆け巡る。
ベッドにさんを押し付けて行為に及ぶ兵長は時折俺を見て、それはそれは満足気な笑みを浮かべていた。
「どうだ、ジャン……この女が誰の物か少しは理解出来たか?」
「……だ…」
「あ?」
「最低だって言ったんですよ!」
思わず叫んでいた。
兵長とさんは恋人同士なのであって、どこでセックスをしようが俺が口出し出来ることではないんだけど……それでも。
「さんをまるで見世物のように扱わないで下さい!」