第1章 SHE IS MY.../ジャン
『ごめんなさい』
が断りの文句を口にした時、ジャンは思わずガッツポーズをしてしまった。
我ながら大人気ない行動に赤面しつつ落胆して帰って行く男子新兵を見つめる。
彼はまるで自分だ。
若き日の苦い思い出が胸を締めて、
ジャンが思わず目頭を押さえた。
その時。
「うわああああ!」
『キャァァァッ‼︎』
聞こえたのは二人分の悲鳴。
先程の振られた新兵との声だ。
まさか……巨人か…⁉︎
冷たい汗が背筋を凍らせる。
ジャンは慌てて物陰から飛び出すと立体機動装置のトリガーを引き放った。