第13章 青学☆不二 周助 編
不二『で、無言電話のことだけど…検討は付いてる?』
巻村『それが……。新しい番号を教えたのは、家族は勿論、友人たちと不二さんだけで…。』
不二『僕のことは信じてくれてるのかな?』
巻村『勿論です!』
不二『良かった。でも、そうなれば…。』
巻村『私……嫌われているのでしょうか?』
不二『僕は君のこと好きだよ。』
巻村『えっ?』
不二『きっと…君と話したくて仕方無いのに、勇気が無いだけじゃないかな。』
彼女は、状況が整理出来ないようで目を泳がせている。
僕は、チラリと視線の方を見た。
ずっと彼女を見ていた男子はその場から逃げ出した。
巻村『あ…今のは…。』
不二『クラスメイトだよね。』
巻村『はい。え……まさか…。』
僕は、僕の考えを彼女に話した。
戸惑っている彼女。
巻村『友達の幼馴染みで……だから、勝手に友達の携帯を……。』
不二『友達には非はないけど、ちゃんと話した方がいいよ。』
巻村『分かりました…。』
不二『返事…直ぐじゃなくていいから。僕のこと知って貰えないかな?』
巻村『でも、不二さんならもっと相応しい人が…。』
不二『僕は、君がいいんだ。君だから好きになったんだ。』
巻村『あ、ありがとう…ございます。嬉しいです。不二さん…優しいし…私、よくからかわれたり意地悪されるから…。』
それは、君のことを……ま、いいか。わざわざ教えなくても…。
不二『デートしてくれるかな?』
彼女は真っ赤になって頷いてくれた。
不二『ありがとう。』
手始めに映画がいいかな。
彼女の色んなことを知りたいし、僕のことを知って欲しい。
次のデートが楽しみだな。