第15章 青学☆手塚 国光 編
あの日から数日後。
副会長を追いやり、今では隣りに静がいる。
想いを寄せていた副会長は、どうやら俺と対峙する勇気がないようでアッサリと身を引いた。
安曇『国光さん。これが、新しい書類です。』
手塚『助かる。』
安曇『それと…。』
彼女は、料理部から火を借りて俺に渋目の日本茶を振る舞ってくれた。
喉ごしよく、頭もスッキリするものだ。
手塚『静。次の週末…都合が合うなら、出掛けないか?』
安曇『はい。喜んで。』
彼女は、幸せそうに笑顔を浮かべていた。
週末、俺たちはエジプトの展示会へと出掛けた。
二人で説明文に目を走らせ、古代の展示物に想いを走らせた。
静なこの空間で、俺たちは想いを育んでいった。
時折感じる手からの彼女の体温。
こんなにも愛おしくて、優しい気持ちになれるとは…。
この日、二度目のキスをした。
それから暫くが過ぎた。変わらず静は俺の傍に居て、綺麗な笑みを浮かべている。
そんな時だった…跡部から、連絡が来たのは。
内容は、合同合宿の話だった。
部員らに話して……静にも、来てもらいたい。
そして、不二や海堂にも声をかけてもらうように言わなくてはいけないな…。
合同合宿か…。
楽しみだ。
みんなで切磋琢磨し、高みを望もう…。
手塚 編 終わり