第13章 青学☆不二 周助 編
そう……今でもハッキリと覚えている。
初めて君を見掛けた、真冬の中でのこと。
珍しく降り積もった雪を、君は目を輝かせて見ていたよね?
あれは……図書室へ本を返却したある日の放課後。
あんまり、君の瞳がキラキラしていて目を離せなかったんだ。
降り止まない雪を見上げては、真っ赤になった頬を気にもせず……。
そんな君を見て……【雪の妖精】なんじゃないかって思ったんだ。
君に話したら、からかわないでって真っ赤になっていたけど…。
今は、こうして手を伸ばせば君を抱き締めることが出来る。
フフ……君に気に入って貰えるように、好きになって貰えるように頑張ったんだよ?
初めて声をかけた時も、初めて告白した時も、初めてキスした時も…僕は緊張していたんだ。
君は、信じてくれないけど…。
この手を離したら、君は2度と僕の手の届かない場所へ行ってしまいそうで…不安感は拭えない。
でも、僕の大好きな君が僕を好きだと言ってくれる。笑いかけてくれる。
だから、勇気を奮い立たせて信じようって…。
君を守るためなら、僕はどんなことでも立ち向かうよ。
君の僕を映す綺麗な瞳が、僕を見詰めてくれる限り……。