第1章 立海☆仁王 雅治 編
榊『何でも?』
仁王『あぁ、何でも構わんよ。』
榊『本当に?』
仁王『二言はないぜよ。』
榊『…………さい。』
ん?何をいったか全然聞こえなかったが……。
仁王『もう一回言ってくれんか?』
榊『や、やっぱり……これから考えます。』
あ、逃げていった……。
一体、何を言おうとしていたんじゃ?
ひょっとして……嫌われた??
それからの数日……心ここにあらずの毎日を過ごす羽目となった。
ある日の昼休み……屋上で転た寝していた俺。
人の気配を感じたが、わざと眠ったままのフリを続けた。
その気配は、俺の目の前でしゃがみ込んだようで……乱れた息を調えているようだ。
で……さっきから、熱烈な視線を感じるが何も行動をしない。
一体、何がしたいんじゃ?
あの日から数日……俺を避けていたのは分かっていたが、敢えてそのままにしておいた。
だが……どうしたんじゃ?
スツ……濡らしているであろう妖精の頬を指先で拭った。
最初は、ビクッと体を強張らせたが……嫌がられることはなかった。
仁王『何があったか話してみんしゃい。』
少しずつ瞳を開けると……頬を伝う涙が溢れ落ちた。
榊『……私は……妖精だから…………人間の友達も恋人も……必要ない……。』
仁王『すまんな……気付いてやれなくて。そう……言われたのか。』
最近、俺のファンと言う輩があまり声をかけてこなくなったのは……。
仁王『で、決まったか?要望は。』
妖精に近寄らないように……そう言われるか、もしくは……。
嫌、俺は何もハッキリと伝えてなかった。
仁王『榊……俺の傍にいんしゃい。俺が守ってやるぜよ。好きじゃよ、瑠璃亜。』
妖精には、【蒼】の存在があるが今はそんなものは気にならなかった。
仁王『ちゃんと、人として周りに知らしめてやるぜよ。だから、安心して俺に任せればいい。』