第11章 四天宝寺☆財前 光 編
けど……いざ、本人を目の前にしたら何って切り出したらええか。
佐々木『財前くん。話って?』
嫌…話って分かってるやろ。返事や、返事!
けど、佐々木は本当に訳が分からないと言うような顔をしている。
佐々木『どうかしたの?』
俺は無造作に、メモを見せた。
これまた、訳が分からないと言うような顔をして……メモの中身を見た。
佐々木『えっと……自慢?』
財前『えっ?何で自慢になるねん。』
佐々木『だって、これって告白の返事の催促でしょ。何で、私に見せるの?』
財前『何でって、佐々木が寄越して来たんやろ。ちゃんと名前まで書いてるし!』
佐々木『あ…佐々木…。あのさ……佐々木違いだよ。』
財前『へっ?』
佐々木『クラスに私以外に佐々木は、もう一人いるよ?ただね………佐々木って。』
財前『佐々木……男だよな?』
佐々木『う、うん…。』
二人で微妙な雰囲気。
財前『…俺、男に告白……。』
佐々木『ド、ドンマイ?』
軽く慰められている俺。
財前『マジ、ありえへん。俺の悩んだ時間は何やったんや。』
佐々木『フフ。何って言おうとしてたの?』
財前『…そ、それはもうええやろ。第一、佐々木やって……あ、イヤ……その……。』
佐々木『でも……あの佐々木くんが……。どうするの?』
財前『断るに決まってんやろ!』
佐々木『だよね…。』
財前『ハァッ……ホンマに………(ガッカリ)やったわ。』
佐々木『えっ?』
財前『何でもない。佐々木には、ちゃんと言っとくわ。(不本意やったけど…)』