第10章 四天宝寺☆白石 蔵ノ介 編
けど……部活終わったら、財前が誰かと話していた。
誰やねん…その子。
しかし、珍しいわ……財前から話し掛けてるし、話が弾んでるし……。
あ、金ちゃんが声かけてる。
財前『あ、俺の彼女。』
全員『彼女~っ!!!!?』
あっさり認めよったわ。
忍足『財前もスミにおけんわ。俺も欲しいわ、彼女。なぁ?白石。』
白石『あ、せやな…。』
って、何で俺にフルんや。
千歳もさっきから姿見えへんし…。
財前にはイジラれたみたいやし。
何か、俺って……ヘタレ?
イヤ、そんなことないやろ。そもそも、好きとかそんなんちゃうし!!
多分…存在が珍しいだけで……って、言い訳してるあたりがヘタレやん。
それから暫く…頭の中は、如月さんのことでいっぱいやった。
?『あ、白石先輩。今から部活ですか?』
白石『えっ?あ……如月さん。』
如月『どうかしたんですか?元気がないようですけど……大丈夫ですか?』
何で、こんな時までええ子なん?
白石『あ、イヤ、大丈夫や。ちょっと疲れてるだけ…って、部活これからやけど。それより、如月さんは何をしてるん?』
如月『財前くんを待っているんです。』
財前『財前?え、何で?』
イヤ、他人のプライバシーやろ。何を聞いてるんや。
如月『栞の言伝てで…。』
白石『栞って?』
財前『俺の彼女ですわ。すまんな、いつも伝言係りさせてしもうて。』
如月『ううん。』
その後、何をしたか覚えてへん。
気付いたら如月さん家の近くをブラブラしてて…。
何やってんだ?まるで、ストーカーやってるみたいやん。
白石『阿呆らし……帰ろ。』
高橋『白石?』
俺は後退りするほど驚いていた。
こんな場所で、一番会いたくない奴と……ついでに、隣りには如月さんおるし。