第10章 四天宝寺☆白石 蔵ノ介 編
素直そうな子や。
彼氏とかおらんのかいな?
白石『大丈夫か?』
如月『すみません…大丈夫…です。』
全然、大丈夫やないやろ。
白石『ゆっくりでええよ。』
俺が頭を撫でると、潤んだ瞳が俺を見上げた。
如月『ごめ……さい。』
白石『自分……。』
何かを言い掛けて、口を閉じた。
今…俺は何を言おうとしてたんや?
如月『フウッ……要注意ですね。』
白石『えっ?』
如月『ハッピーエンドものです。それより、白石先輩の買い出しの方は…。』
白石『あ、今から行く。』
で、何故か……一緒にスポーツショップに来ている。
何か分からんけど、時間的に送っていく話になった。
彼女は遠慮したんやけど…。
嫌……俺、帰したくないとか……思ってるんか?って…誰に聞いてるんや。
如月『それは何ですか?』
白石『テープや。怪我した時とか…。』
如月『先輩、怪我してるんですか?』
あ…何か、メッチヤ心配されてる?
白石『ちゃうよ。怪我の予防の為にも使うんや。』
如月『そ、そうでしたか…。』
白石『如月さんって……ええ子やな。』
如月『えっ?』
あ…何か、顔が赤うなった。
目を泳がせているあたり、メッチヤ可愛いわ。
白石『おおきにな。心配してくれて。』
如月『い、いえ…。』
買い物を済ませ、俺らは歩き出した。
如月『本当にすみません…送っていただいて。』
白石『ええよ。ほな、またな。あ……なぁ、如月さんって……植物園とか好きか?』