第10章 四天宝寺☆白石 蔵ノ介 編
でも、俺の隣りにおる派手な子を見て……話を合わせてくれたんや。
?『ごめんなさい。出掛けに電話が鳴って…。』
白石『そうなんか。ま、何もなかったんならええわ。で、悪いけど俺らこれからデートなんや。ほなな。』
手を引っ張り、その場から離れた。
白石『すまんなぁ…こんな真似させて。けど、助かったわ。』
?『この前のお礼です。でも、モテるんですね。』
白石『俺…逆ナンとか苦手なんや。相手の都合なんかお構い無しに話してくるやろ?』
?『フフ……大変みたいですね。』
柔らかく笑う辺り、俺のこと何とも……。
白石『そういや、自分…名前は?』
?『あ…そうでしたね。私は、2年7組の如月 瑠花です。』
白石『如月さんって言うんか。って…7組って、ウチの財前と同じクラスかいな。』
如月『財前……あ、確か居たような…。あんまりおしゃべりじゃない人ですよね?』
白石『せやな。で、引き留めてしもうたけど…何か予定があったんやないんか?』
如月『あ…時間は……。』
鞄から何やらチケットを取りだし、時計と見比べている。
白石『…映画?それもペアチケットや。』
如月『あ、はい。伯母さんに貰って…悠斗くんは興味ないからって。』
このペアチケットは、カップル用らしく女の子同士では使えないようやった。
白石『あ…この題名……アメリカ映画やん。』
如月『みたいですね。面白そうかなって思って。』
白石『ええなぁ…アメリカ映画。』
如月『お好きなんですか?』
白石『せやねん。』
って、今………こうして、二人で並んで映画を観ている。
アクションが激しいし、トリックもあったりして…さっきから、何回も体をビクッとさせている彼女。
正直、映画も面白いし…この子を見てるんも面白くてダブルで楽しめた。
映画が終わり…少し人気のない場所へと移動した。
って言うんも……クライマックスのハッピーエンドに感動した彼女が泣いていたから。
周りから見たら、俺が泣かせているように見られるやろ。それにしても……。