第9章 聖ルドルフ☆観月 はじめ 編
僕の粘り勝ちだと言うところでしょうか。
そんな時でした。
彼女を迎えに来たと言う、義理の兄。
彼女を連れて帰ると言い張り、彼女は学校から逃げ出してしまいました。
逃げ出しても何の解決にもならないと言うのに…。
僕は、思い当たる場所を手当たり次第に探しました。
どうして……どうして、僕を頼ってくれないのでしょうか?
彼女は僕のことを好きなはず。
それは……直ぐに分かりました。
彼女の義理の兄は、彼女を一人の女性として見ていました。
いえ……純粋な気持ちなら問題はありません。
彼は、跡継ぎと認めさせるために彼女を利用しようと画策していました。
本当に……ムカつきます。
さぁ……反撃の狼煙を上げるとしましょうか。
彼女は……以外にも、近場で見つかりました。
そう……あの礼拝堂です。
彼女は…ただ、祈りを捧げていました。
その姿は……彼女の意志がそこにありました。
兄『ここにいたのか!』
詰め寄ろうとする兄の前に、僕は立ち塞がりました。
兄『部外者が邪魔をするな。』
観月『残念ですが、彼女は僕のものです。貴方にも、誰にも渡しません。』
兄『認めるわけないだろ。日本人なんか。』
観月『その言葉を、今の貴方の父親に言えますか?』
兄『それは…。』
ロロナ『私は…私の半分は日本人です。それに……私だって、私にも選ぶ権利はあります!』
兄『お前は大人しく言う通りにしておけばいいんだ。道具の分際で!』
観月『それが貴方の本心ですか。だ、そうですよ。』
彼女は、携帯電話を差し出した。
先程、彼女を探しているときに、僕の案をラインで送っておいた。
電話の相手は、彼女の父親。
彼女の義理の兄は、項垂れて居なくなった。
その後、彼女は自分の口で意思を伝えた。