第9章 聖ルドルフ☆観月 はじめ 編
ロロナ『…ど、どうして…。』
観月『…僕が、居て欲しいと思うからです。貴女に居て欲しい!』
ロロナ『私は…ハーフです。どちらにとっても偽物。今までずっとそう言われて……。』
観月『貴女は貴女です。それ以外の何者でもありませんよ。』
ロロナ『私は…私?』
観月『ええ、そうです。だから、誰に何を言われても、毅然としていればいいのですよ。』
ロロナ『……私は…私の居場所は…。』
観月『無いと言うなら、僕が作って差し上げますよ。』
ロロナ『観月さんが?』
観月『おや、僕では不服でしょうか?僕は、貴女に傍に居て欲しいと思っているのですが。』
ロロナ『えっ…どうして?』
観月『貴女のことが好きだからです。貴女の、そのハニかんだ笑顔がとても魅力的で好きになってしまいました。』
ロロナ『……わ、私?』
観月『好きでなければ、こんなことはしませんよ。』
ロロナ『そ、そう…ですよね。あ、あの…。』
観月『今すぐに返事を貰おうとは思っていません。ですから、これから僕のことを知って貰えませんか?』
ロロナ『これから…。』
僕は得意の理論攻めで、彼女に了承させました。
これからが楽しみです。
さて、何をしましょうか?
僕のことを手っ取り早く知って貰って、僕のことを好きになって貰わないといけませんね。
頭の中で、これからの作戦をたてました。
手始めにテニス部を観に来て貰いましょう。
1つずつ、根気よく僕のことを知って貰いました。
勿論、彼女のことも教えて貰いました。
小物が好きだとか、菓子作りが得意だとか……男子と話すときは今でも緊張するとか、紅葉の季節が好きだとか……ピアノを弾くのが好きだとか…。
彼女と同じ時間を共有して、お互いにお互いを大切な存在だと思うようになっていきました。