第9章 聖ルドルフ☆観月 はじめ 編
ロロナ『ありがとうございます。』
観月『その紅茶には、スコーンが合いますよ。』
ロロナ『はい。』
観月『ご自分で、作ったりしますか?』
ロロナ『…たまに。』
観月『美味しいのでしょうね。貴女の作るお菓子は。そんな気がします。』
さっきから、彼女は目を合わせない。
が……一瞬だけ、僕を見て………少し頬を赤くしました。
照れている?
そう言えば、ずっと女子校出身だったと聞いたような…。
免疫がないのでしょうか。
観月『もう、こちらには慣れましたか?』
ロロナ『えっ…あ、その……。』
観月『良かったら、雑貨屋にお付き合いして頂けないでしょうか。』
ロロナ『雑貨屋が近くにあるのですか!?』
観月『ええ、直ぐ近くですよ。』
ロロナ『あ、いえ…。その…。』
観月『お付き合いして頂くお礼として、こちら(茶葉)はプレゼントさせてください。』
彼女が呆然としているまに、レジを済ませ茶葉を手に持たせた。
観月『では、こちらですよ。行きましょう。』
暫く、考えているようでしたが…少し遅れて後をついてきました。
しかし、お店に着くと…やはり、女子ということでしょうか?
可愛らしい雑貨に心を奪われているようで、僕も微笑ましい時間を過ごすことが出来ました。
最初は距離をおいていた彼女でしたが、僕のウンチクを興味深く聞き入っているようでした。
結局、日が傾くまで彼女と時間を過ごしました。
まだ、遠慮がちなところが見受けられるものの、煙たがられることはありませんでした。
観月『こんな時間まで付き合わせてしまいすみませんでした。ですが、おかげで楽しかったです。』
ロロナ『いえ…こちらの方こそ、教えて頂いてありがとうございました。』
こ、ここでハニカミますか…。
見応えのあるハニカミでした。
あれ?心が…跳ねるようなこの感じは…。