第6章 氷帝☆忍足 侑士 編
忍足『なぁ…告白したいんやけど聞いてくれるか?』
藤堂『こ、告白っ!?』
忍足『ハァッ…自分で話し振っといて、メッチャ緊張してきた。』
藤堂『だ、大丈夫です!どーんと来てください。』
忍足『どーんとかいな。それは頼もしいなぁ。』
俺は、深呼吸をした。
あの時手放したこの手を、今度は絶対に手放さなくて済むように…心を込めて。
『俺は……綾那が好きや。付き合うてくれ。』
ハァッ…言うてしもうた。10年ぶりに再会して情緒も何もないけど……再会できたことが【運命】だとしたら、今度は絶対に放したらあかん。
ついでに俺…メッチャ声が震えてるわ。カッコ悪いなぁ…。
忍足『返事…聞かせてくれ。』
藤堂『……。』
忍足『綾那?』
体を放して恐る恐る顔を覗き込んだ。
忍足『っ!?綾……。』
何って幸せそうな顔して笑ってるんや。
まるで、世界中の幸せ独り占めしたかのような…。
藤堂『ずっと…ず~っと、好きだったんです。気持ち悪いって言われるかと思ったんですけど…私は…。』
俺は、再び彼女を抱き締めた。
忍足『おおきに。大好きやで。』
触れるだけのキスをして、俺たちは幸せをかみしめていた。
忍足『あ……忘れるとこやった。道案内せんと。』
新学期が始まる頃には、すっかり打ち解けて…また、家族に呆れられる毎日を送っていた。
ただ…想像以上なことだったんは…俺の姫さんを狙う奴等が仰山いたことや。
まぁ、誰にも渡さへんけどなぁ。
初恋は実らないって…俺が払拭してやる。