第6章 氷帝☆忍足 侑士 編
?『侑くん…侑……ん、いか……!』
懐かしい夢を見た。
10年前に親の知人の子供と遊んだ夢。
きっかけは、その子が迷子になっていたようだったから声をかけたのが始まり。
大学病院は広い。家族と来ていたみたいやけど、はぐれてしもうたみたいで…。
たった一人でうち震えている女の子は、必死に泣くのを我慢しているようで……俺が助けてやることを告げたら、安心したのか涙が……。
けど……子供心ながらも、メッチヤ可愛い女の子やったんや。
俺のこと、【侑くん】って呼んで……小さな手が俺の手をしっかり握ってて……小さいながらも、この子を守らんとって使命感にとらわれてたっけ…。
懐かしいなぁ…今、えらい別嬪になってるやろなぁ。
あのあと、俺ん家が引っ越してそのままや。
人をフォローするんは、あのときの経験があったからやろなぁ。
会えるんやったら……会いたいなぁ。
俺の【初恋】のあの子に…。