第1章 立海☆仁王 雅治 編
振り返り、唖然とした。
最近、頭の中を占めている当の本人が目の前にいたから。
仁王『こんな時間まで、何をやっちょるんじゃ。』
妖精は、可笑しそうにクスクスと笑った。
榊『仁王先輩も同じですよ。』
仁王『嫌、俺は……。』
言い訳をしようとしたが諦めた。
仁王『一人か?』
榊『はい。』
仁王『一人だと危ないぜよ。彼氏とかに送ってもらえばいい。』
しかし、榊はキョトンとした顔をした。
榊『誰かと間違えていません?私に彼氏はいませんけど……。それより、仁王先輩は彼女さんを送った帰りですか?』
は?ちょっと待ちんしゃい。いつから俺に彼女がいることになっちょるんじゃ?
仁王『仕返しのつもりか?』
榊『仕返し??』
嫌、本気でそう思われているようじゃ……。
仁王『おらんよ。俺には特別な相手は。』
榊『…………。』
ん?固まった?何故?
榊『だ、騙された……。』
仁王『騙す?俺は何も騙して……。』
榊『ち、違います!仁王先輩に彼女さんがいるって教えてくれた人がです。』