第2章 立海☆丸井 ブン太 編
翌日、いつものように差し入れを寄越してくるファンら。
でも、遠巻きにその光景を見ていた仁王が、彼女に何かを告げていた。
彼女は……ただ、心配そうな表情。
何なんだ?
?『仲いいですよね~。仁王先輩たちって。』
丸井『ん?あ、そうだな。』
?『まぁ、あの人は【妖精】だし誰が見ても見栄えするもの。それに引き換え……。』
何だよ……それ。
仁王は見栄えだけで選んだわけじゃねぇだろ。
それに……何だ?含みのある物言い……。
気になっていたものの、翌週からガムが存在して……俺は忘れてしまっていた。
でもさ……翌週、分かったんだ。メモの返事の文字が違っていたんだ。
丸井『違う……。』
仁王『ブン太、話がある。』
呼び出したのは仁王。でも、向かった先にいたのは……榊?
榊『おはようございます。丸井さん。』
丸井『オハヨ。で、話って?』
榊『私……見てしまって。』
榊が見たものは、イジメの光景だったらしい。名前を聞いたが……知らない名前だ。
でも、特徴を聞いて分かったんだ。
ガムをくれて、子供好きで……菓子作りが好きな……。
人の話を、ただ、聞いてくれて……。
榊から、そいつのことを聞いたんだけど、どうすればいいか……。
仁王『イジメは暫くすれば落ち着くじゃろ。後はブン太次第じゃぞ。そいつのことが特別でないなら、下手に構ったりしない方がいい。』
構うなって……何だよ。
俺は、そいつのことをまだ知らないに等しくて……。
でも……俺を責めたりしなかったよな。
何か、頭のなかがグチャグチャする。