第2章 立海☆丸井 ブン太 編
ハァッ……これで何とか充電完了!
兎に角、このガムは大事に食べないとな。
ひい、ふう、みぃ…………マジ、後5枚か。
足り……ないだろうなぁ。
ジャッカル『ガム、買えたのか?』
丸井『ん?あ、貰った。』
ジャッカル『そうか。良かったな。』
丸井『良くない!放課後には足りない。』
ジャッカル『そうなのか?でも、それ……。』
確かに、いつもより多かった差し入れがまだある。
丸井『苦いのと固いヤツ。まぁ、食べるけど。』
貰っておいて、捨てるなんてことはやらねぇ。バチが当たるだろ?
想像通りに放課後にはガムは無くなってしまい……また、イライラ感炸裂。
やっぱり、ツイテない……。
部活前にも差し入れを貰ったけど……ハァッ。
調子が出ねぇ……。
何とか部活が終わり、コンビニへと一目散!!
が……公園口に差し掛かった時、小さな子供の笑い声と聞き覚えのある声が聞こえてきた。
何気に目を向けると……五、六歳の双子とガムをくれた女の子。
子供はなついているようだったけど、母親らしき人が迎えに来て二人を連れて帰った。
?『あ……丸井先輩。』
丸井『子供、好きなの?』
?『はい。』
丸井『それは?』
紙袋から甘い薫りがする。
?『クッキーです。』
丸井『クッキーか……。それ、どうすんの?』
?『そうですねぇ……近所の子供に……。』
丸井『なら、俺にくれ。』
?『あ、はい。どうぞ。』
どうやら、そいつの手作りらしく……苦くも固くもなく、ただ美味しかった。
丸井『あ、そうだ。今日はガム、サンキューな。マジ、助かった。』
店の完売の話をすると、ただ、そいつは楽しそうに俺の話を聞いていた。