第1章 立海☆仁王 雅治 編
柳生がこっちの方面でもライバルになられるのは不味い。
俺は、仕方なく暴露した。
柳生『最初から分かっていたんですか?』
仁王『そのようじゃのう。』
榊『次、試したら……。』
仁王『やらん。』
幾ら自分の案と言えども、瑠璃亜が他の男と仲睦まじい姿は見たくない。
榊『約束ですよ?』
酷い倦怠感……。
でも、あっさりと見破れるほど俺のことを……悪い気はしない。
ペテン師と異名のある俺を、ペテンにかけるとは……。
榊『放課後、葉月ちゃんと観に行きますね。柳生先輩も頑張って下さいね。』
柳生『ありがとうございます。』
瑠璃亜の笑顔を見て、溜め息を吐きながら頭を撫でる。
仁王『どうやら、瑠璃亜には叶わんようじゃのう。完敗ぜよ。』
榊『当たり前じゃないですか。大好きな人のことですから……なんて♪』
赤くなった頬を隠すように、捲し立ててはいなくなってしまった。
【大好きな人】か……。
柳生『可愛い人ですね。榊さんは。それに、仁王くんより策士かもしれませんね。』
仁王『そのようじゃのう。見に染みたぜよ。』
それにしても……【大好きな人】か……
顔が緩むぜよ。
ずっと、傍に……。
が、数日後の柳からの話で俺は……悩むこととなった。
期末テストが終われば夏休み……。
だが、今年の夏休みは……色んな意味で、特別な夏休みになりそうじゃ。
手伝いと称して、瑠璃亜を同伴……。
安藤は二つ返事で参加のようじゃが……。
他にも、ブン太や真田はどうするんじゃろうな……。
合同合宿か……。
仁王 編 終わり