第1章 立海☆仁王 雅治 編
仁王『瑠璃亜、手を出しんしゃい。』
榊『手?』
何の躊躇いもなく、差し出した手を俺は掴んだ。
仁王『折角、二人っきりにしてくれたんじゃ。堪能させてもらわんとのう。』
瑠璃亜は……照れ臭そうにしながらも、嬉しそうな表情。
仁王『また、テニスを見にきんしゃい。惚れ直させてやるぜよ。』
榊『仁王先輩が送ってくれるなら……。』
それは、一緒にもっといたいと言う意思表示かのう?
仁王『構わんよ。それより、仁王先輩じゃなかろう?名前で呼びんしゃい。』
榊『えっ……それは……もう少し慣れたら……。』
仁王『却下ぜよ。ほら、言ってみんしゃい。雅治さんって。』
榊『…………。』
仁王『呼ばないと、ここでキスするが構わんか?』
榊『なっ!?!?』
辺りを挙動不審に見回している。
榊『まっ……ま……雅治さん。』
往来でキスされる方が恥ずかしいと思ったようで……初々しいのう。
仁王『今回は許してやるぜよ。チュッ。』
瑠璃亜の頬にキスした。
榊『に、仁王先輩っ!?』
仁王『ん?今、何って言った?』
身の危険を感じたようで、慌てて名前呼びをする瑠璃亜。
さ、これからは色んな意味で知らしめんとのう。多忙ぜよ。
が……要約、慣れて来た頃。
フト、イタズラ心が芽生えて……。
行動をおこしてしまった。
と言うのも、柳生との入れ代わり。
柳生は反対したが宥めては、策略にのらせて…………俺は、酷く後悔を……する羽目となった。
仁王『瑠璃亜。ここにいたのか。』←入れ代わった柳生
榊『……。』(ニヤリ……)
仁王『どうかしたんか?』
榊『実は……イジメられて……。』
仁王『イジメ?』
榊『いつものように頭を撫でて下さい。そうしたら頑張れるから。』
あれ?瑠璃亜からそんな台詞は……。
仁王『これでいいか?』
榊『あれ?いつものように抱き締めてくれないんですか?』
仁王『だ、抱き締め……。』
そういうことか……。
全く、俺たちがペテンにかけられるとはな……。
柳生は、瑠璃亜に詰め寄られ弱っている。