第14章 青学☆海堂 薫 編
俺は…あいつの頭を撫でた。
が…あいつは、俺の胸の中に頭を付けて泣き続けた。
そんなあいつの背中をゆっくりと撫でてやった。
しかし、何で泣いたんだ?
瀬戸内『フゥッ……ごめんね?ビックリさせちゃったよね。もう大丈夫だから。』
海堂『そうか。』
あいつの潤んだ瞳が、俺を見上げた。瞳が合わさると、心が跳ねた。
何だ、これは…。心臓がバクバクしやがる。
海堂『あ……この前の……行ったのか?』
瀬戸内『えっ?あ…ううん。私が一緒に行きたいのは……。』
海堂『なら、今度の休みどこか行くか。』
えっ……俺、誘った?何かこれって…。
内心焦っている俺を余所に、あいつの表情はこれ以上ないくらい驚いた顔をして……また、涙を浮かべていた。
海堂『い、嫌ならいい。』
瀬戸内『行く!絶対行く!!死んでも行く!!!』
嫌…死んだら行けないだろ…。
ハァッ……そうか…。この時になって、要約分かった。
こいつ…俺のこと…。そんで……俺は、こいつのこと…。
海堂『1度しか言わねぇからちゃんと聞いとけ。俺は…俺は、お前が好きだ。』
あいつの目はこれ以上ないくらいに見開いた。
海堂『どわあぁっ!!!?』
いきなり瀬戸内は俺に抱き付いた。
海堂『お、お前……。ったく…仕方ねぇヤツ。』
瀬戸内『私がこういうヤツだって、海堂くんは知ってるよね?』
仕返しのつもりか?
海堂『クックッ……ったく、お前には敵わねぇな。で、返事は?』
瀬戸内『大好きだよ!勿論!!』
でっかい声で叫んだもんだから、慌てて口を塞いだ。←手で口を塞いだ。
何か、あいつの言葉を聞いて気持ちが落ち着いた。
それから、以前のような毎日が戻った。
1つだけ変わったこと…。
海堂『亜理砂、次の移動教室に行くぞ。』
瀬戸内『あ、薫くん。待ってよ~!』
海堂 編 終わり