第14章 青学☆海堂 薫 編
巻村『周くん。』
海堂『ふ、不二先輩…。』
何となく…気まずい。悪いことをしたわけではないが、何となく…。
不二『一緒に食べていたんだ。僕も交ぜて貰えば良かったかな。』
な、何となく…機嫌が…。
巻村『明日、約束しているじゃない。』
桃城『明日?』
不二『志乃が、お弁当を作ってくれるんだ。確か…安曇さんもだよね?きっと、手塚も楽しみにしていると思うよ。』
安曇『はい。頑張ります。と言うわけで…明日、亜理砂1人なの。お昼、相手してあげてね?』
不二『1人は淋しいよね。海堂、頼んだよ。』
この状況で、断れるヤツはいねぇ。
海堂『…は、はい。あ、でも…瀬戸内が…。』
瀬戸内『よろしくね?海堂くん。』
本人に、よろしくされてしまい…逃げ道は無くなった。
桃城は…嫌…誘うのは俺としては…嫌、しかし…。
考え込んでいると、いつの間にか瀬戸内しかいなくなっていた。
海堂『あ…みんなは…。』
瀬戸内『出てったよ。ねぇ、海堂くん。』
海堂『な、何だ…。』
嫌な予感しかしねぇ…。
瀬戸内『明日、私が海堂くんにお弁当を作ってくるよ。』
予感は的中だ。
俺は頑なに断った。断ったが…嫌……そんな泣きそうな顔するな。
付き合っているわけでもねぇだろ。
でも……結果的に、泣き落としの状況になり…。
アイツが頑張っているのは知っている。
いつも聞かされるからな。
ハアッ………誰か、アイツを何とかしてくれ。
しかし……現実に何とかしようとしている状況を見たら……。
一体、俺はどうしたんだ?