第14章 青学☆海堂 薫 編
どうしてこうなった?
普通は、俺に必要以上に近付くヤツはいねぇ。
なのに……何で、こうなってる?
今は昼休み。
何時ものように弁当を開き、箸を付けようとしていた時だった。
確かに、普段でも女らは机を寄せ合って数人で食べているヤツはいる。
そのことに対してはどうでもいい。
だが……この状況は……。
俺の隣りに机を寄せてきたクラスメイトの瀬戸内 亜理砂。それに続き……目の前には、これまたクラスメイトの巻村 志乃(不二先輩の彼女)
更に……安曇 静←勿論、クラスメイト(手塚部長の彼女←次の話しに登場)
俺には、とやかく言えねぇ…瀬戸内はともかく、巻村や安曇は…先輩らの大切な人。
嫌……何で、そもそも……二人はともかく、瀬戸内は俺が怖くないのか?
気軽に俺の弁当を覗き込んでは、感嘆の声をあげている。
確かに、俺の母親は料理が得意だ。
だが…相変わらず、巻村の弁当は文句の付け所がねぇ。親が、料理研究家だと聞いたが大したものだ。
瀬戸内『海堂くん。私、志乃から料理習っているの。あ、静も一緒になんだよ。』
だから、何なんだ?嫌…あんまりキツいことを言ったら……。
そうか……泣かせたからか。
たまたま居合わせた瀬戸内に俺は……。
号泣された挙げ句、こいつはケロリとして俺につきまとって来るようになった。
小柄でくりっとした大きな目。肩までの緩いカールした髪は天然らしく、巻村のストレートの長い髪を羨んでいた。
何故、そんなことを知っているか?
毎日のように、聞かされるんだよ。
俺が聞いていようがお構い無く話をしている。