第3章 出会い~再び~
「あ!見てみて!魚!」
大野さんが、テレビに向かって指差す。
「僕は魚に興味ありませんったら」
「じゃぁ、絵は?」
「絵なんか下手くそですし」
「じゃぁ僕が描くよ?」
「似顔絵でも描いてくれるんですか?」
「いいよ、ニノの似顔絵描きやすいし♪」
「まったく・・・」
まったく・・・とか言いながら、その絵をこっそり
保管してるのは内緒。
だって、恥ずかしいじゃないですか。
「そういえばさ、もう一人友達呼んだんだけど
そろそろ来る頃かな?」
「え!?今日は二人でトランプって話だったじゃん!」
こやつ、嘘つきやがったな!
「えーだって、トランプは人数いた方が楽しいでしょ?」
「まぁそうですけど・・でも、先に言ってくれたら
よかったじゃないですか・・・」
不貞腐れる僕に、大野さんは微笑んで
「まぁまぁ、いいじゃん」
と、頭をぽんぽんしてきた。
それと同時に、玄関のチャイムが鳴った。
「お、来た来た」
大野さんは立ち上がって玄関へ向かった。
僕は少し拗ねながらも、その場でお菓子を食べていた。
すぐに、大野さんが戻ってきた。
大野さんの隣には・・・・・・・・・・。
『あ』
「ん?」
「あ・・大野さん隣の人は?」
「あ、えっとね。櫻井翔くん」
「櫻井・・翔さん」
「昨日会ったよね?」
「え・・・あ、そう・・ですね」
「え~?二人知り合いなの?」
「知り合いってか、なんつーか」
「ふーん、まぁいいや。翔くん。座って?」
僕の目の前に、昨日会った人が座っている。
偶然って怖い。
「あ、そういえば、名前は?」
「え?あぁ、僕ですか?僕の名前は二宮和也です」
「和也くんだ」
「え・・・あ、はい」
いきなりの呼び捨てに戸惑った。
しかも、下の名前・・・。
あまり呼ばれなれてないから、少し恥ずかしいな。
「よろしく、和也くん」
「よろ・・しく」
「・・・あ!ごめん、上の名前で呼んだ方がいいよね
俺ったら、図々しいこと・・二宮くん・・でいい?」
「いや、なんでも大丈夫です」
そしてしばらくの沈黙。
耐え切れず僕は