第3章 海常バスケ部お泊り会〜買い物〜
この状態は…ものすごく目立つ。
そしてものすごく恥ずかしい。
女子高生が他校生の男子5人を連れて歩いている時点で目立つのに、全員背も高いので、その効果はさらに上がる。
そして特に黄瀬は、あの容姿のおかげで尚更目立つ。
しかも本人たちは声を抑えてるつもりだろうが、その会話は丸聞こえ。
これらを連れて歩いている私にとっては、恥ずかしいことこの上ない。
できれば他人のふりをしたいくらいだ。
「莉緒ちゃん。卵と小麦粉持ってきたよ」
「あ、すみません。ありがとうございます」
騒ぐ4人とは裏腹に、小堀はせっせと私の手伝いをしてくれている。
これは全員でするより、2人でやった方が早そうだ。
なら早く行動にうつそう。
「おい、そこの4人」
今まで少し離れて見ていたが、傍によって声をかけた。
いつもより少し低めで。
途端に4人の顔が青くなる。
「おまえら小学生みたいにギャーギャー騒ぐな。公衆の面前だぞ。てか騒いでるだけなら出てけ」
睨み付け、荒い口調で言った。
「おい、莉緒!?お、落ち着け!!」
「言っとくけど、幸男も同罪。注意する声がでかいんだよ」
幸男の言うことも聞かず、4人の襟ぐりを掴んで出口まで引きずってやる。
自動ドアが開くのと同時に、外へほっぽり出してやった。