第3章 海常バスケ部お泊り会〜買い物〜
さて、うまい具合に今日の材料は安くなっているだろうか。
「買う材料って何だ?」
入ってすぐ、幸男がカゴとカートを持って来て莉緒に尋ねる。
「一通り買うよ。この人数だと、家にあるだけじゃ足りないから」
「そうか。…あと、おまえら!先に言っとくが、どさくさに紛れて余計なもん入れるなよ!!」
行動を読んだのか、幸男はいち早く釘を刺す。
公衆の面前なので、声はいつもより小さめだ。
「おいおい、笠松。いくらなんでも、俺たちだってそんなせこい事しないって」
「おまえが一番やりそうだから言ってんだよ」
「でも、こういうのってお菓子とかお酒買うのお約束っスよね」
「まぁ、定番だな」
「そうっスよ、キャプテン」
森山と早川が黄瀬に便乗する。
すると幸男は、すかさず黄瀬の腰目掛けて蹴りをいれる。
「調子にのんな、黄瀬!お菓子を買うなら自腹しろ!!あと酒とか絶対やめろ!!制服のままなんだから学校バレる!!」
「ちょ、何で俺だけ!?笠松先輩ひどいっス〜」
「じゃあ、制服じゃなきゃいいんスか!?」
「そういう問題じゃねーよ!!早川のくせに、揚げ足とんな!!」
「でも、今の口ぶりだとそういうことだよな」
「黙れ、森山!!」
幸男と森山の攻防が始まり、早川は一人で叫び、蹴られた黄瀬は半泣き状態だ。