第3章 海常バスケ部お泊り会〜買い物〜
「俺、莉緒っちの手料理ならなんでもいいっス!!」
真っ先に黄瀬が手を上げて言った。
「黄瀬に同じく」
「お(れ)なんでもいい!!」
「俺も莉緒ちゃんに任せるよ」
黄瀬に続いて、他の三人もなんでもいいと答える。
なんでもいいって…一番困るんだけど。
「おまえらな…。リクエストを聞いた側としては、なんでもいいって一番困るんだぞ」
私に代わり、幸男は呆れ顔で言った。
ため息まで漏らしている。
「悩むな〜…」
鍋物なら、あまり時間をかけず量も多めに作れるか。
すき焼きか何かで、肉を多めにしたら満足するだろう。
すき焼きの素でも使えばすぐできる。
ホットプレートを出すのは少々手間になるが、お好み焼きか焼き肉というのもありだ。
腕を組んで考え込んでいると、黄瀬が再び手を上げる。
「だったら、俺みんなでわいわいしながら食べたいっス!!」
「じゃあ、お好み焼きなんてどう?」
「それいい!!」
小堀の提案に、すぐさま森山がのった。
ならリクエストに応えるしかない。
「じゃあ、それでいきましょうか」
意見がまとまったところで、御用達のスーパーに着いた。