第1章 浮気の予感
「名無し!こっち!」
いつもの待ち合わせ場所へいくとがんちゃんがこっちこっちと手を振っている。
「どうしたの…。朝から。今日は気分のらないんだけどなあ…」
「今の心配事。臣さんだろ?」
「え…。なんでしってるの。」
「知ってるも何も…。顔に書いてあるし。」
「さっき……。公園でね……」ここにきて初めて涙がでた。
泣きながらがんちゃんにさっきの事を話した。
すると、いきなりがんちゃんが抱きしめてきた。
「はーーーーーー。落ち着くわーーーー。」
「はあ??」
突拍子もない言動に涙もとまった。
「俺、今日めっちゃ疲れてるの。なんでか聞いて?」
「…なんで?」
「俺、昨日から雑誌の撮影と番組収録でしょー、で次回作の振付練習でしょーー。あと、ドラマの打ち合わせでしょー。」
「何。この状況で愚痴?」
「だから、しばらくこうさして?そうすると回復するの。」
「ここ、外だよ。そして、君は芸能人。」
「…。そうだ。」
はっとしたように私から体を離すと手を引いてスタジオへ入った。
ここはよく彼が使っている練習用のスタジオ。
この時間帯だからか誰もいない。
「さー。ここならいいよね。」
そういうとまた抱き着こうとしてきた。
私はそれを拒んだ。
「ちょ、私一応彼氏いるんですけど。」
「浮気されてるのに?」
「う…。。。ちょ、ひどくない…!?」
言い返そうとした時、がんちゃんの顔が近づいてきた。
そのままキスをされた。
私はそのまま動けずにいた。
「…。バカ。拒めよ…。」
唇をはなしがんちゃんは顔を真っ赤にしてそういった。
「ちょ、ちょ待って。なにが起きてるか理解できない。」
「お前も浮気しなよ。俺と。」
真面目な顔でわたしにそういった。
「はあ??バカ言わないでよ。浮気なんてやだよ。」
「じゃあ、臣さんと別れて俺のところへ来い。」
「話にならない…。私帰る。」
「俺、今日寝てないの。」
「なおさら、家に帰って寝なよ…。」
「名無しの家行く。」
「ダメ。絶対ダメ。今のがんちゃんおかしいもん。」
「…。」おもむろに、がんちゃんがスマホを出してきた。