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my only love

第2章 別れとはじまり


「そうだ。がんちゃんにラインしておこうっと。」

『さっきはちょっと出れなくてごめんね。何かあった?』

すぐに既読になり電話がきた。

私は、ベランダへ出て電話をとった。

「はい。どうしたの?」

「別になんもない。ただ、声ききたかっただけ。ふー。」

「お疲れ様。今日も忙しかった?」

「おう。そっちは?もう寝るところ?」

「…。うん。そうだよ。」
臣の家にいるなんて言えなかった。

「そうだ。臣さん風邪引いたってマネージャーさんが言ってた。大丈夫かなあ。」

「…。そうなんだ。心配だね。」

「おまえ、今いるんだろ?」

「…。」
がんちゃんはすべて見透かす。

「はーーー。迎えに行く。待ってろ。」

「大丈夫だよ。始発で帰るつもりだし。」

「俺が大丈夫じゃないの。いやだって言っても行くから。」

「ちょっ!がんちゃん?!」

電話が切れた。


「はーー。どうしよう。下で待ってようかな。。」
私は臣を起こさない様に静かに家を出た。鍵はポストへ入れておいた。

エントランスの椅子に座ってがんちゃんを待った。

しばらくすると車のエンジン音がした。電話が鳴る。

「はい。ついた。??」

「うん。ついた。すぐ前。」

「いまいくね。」
外へ出るとがんちゃんが立っていた。
私に気付くと駆け寄って抱きしめてきた。


「早くね?下にいたの?」

「うん。嫌なんでしょう?」

「キスしていい?」

「だめ。」と言ったと同時にキスをされた。

しばらく沈黙が続いた。

「俺。やばいね。こんなの。でも、気持ち抑えらんねー。」

私は、どう答えていいかわからなくて黙っていた。当たり前だけど、臣を完全に忘れたわけではない。それに、がんちゃんとは確かに仲が良かったし好きだからこそ中途半端は嫌だった。

「がんちゃん、、わたし、、」そう言いかけると後ろから気配がした。

「臣さん。。。」がんちゃんがそう言ってわたしは驚いて振り向いた。

臣がフラフラしながらドアにもたれかかってこちらを見ていた。困惑した様子だった。

「なに、お前らやっぱりそーいうことだったんだ?ごほっごほっ」

「ちょ、部屋に戻って。また熱上がるよ?」顔がさっきよりも明らかに青白い。

「ねぇ、がんちゃん。近くの病院いってもいい?私、電話するから。」

夜間救急で診てもらうことにした。



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