第14章 変わった
部活で先輩になって雑用はだいたい1年がやるけど、まだ頼りないから一緒にやってる。
緩い部活なんで片付け中に後輩と無駄話したりもする。
片付け中に後輩二人がチョコチョコっと私の所にやってきた。
「須藤先輩! 先輩って男バスの斉藤先輩と付き合ってるんですよね?」
「えっ……。違うよ。わたしの彼氏は生徒会の人」
私がそう答えるともう一人の子が質問してくる。
「山本先輩ですか?」
「そうだよ。山本くんのこと知ってるの?」
私は質問を返す。
「そりゃ知ってますよー。学年1位で副会長ですもん」
「英語ペラペラなんですよねー」
後輩たちが口ぐちに話す。有名人なんだね…。
「それでー須藤先輩の彼氏、山本先輩説と斉藤先輩説があってー」
「えっ」
「それで思い切って確認に来たんですぅ」
「そ、そうなんだ。はっきりしてよかったよ…」
そうなんだ…。
「でもどっちにしてもうらやましいなぁって話してたんですよー」
「えっ、山本くんでもうらやましいの?」
斉藤くんならわかるけど。
「えーっ? 山本先輩超カッコイイじゃないですかー? 全校集会でスピーチした日は超話題ですよ」
「モテモテですよー? でも彼女が須藤先輩ならしょうがないよね」
「うん。超お似合いって感じですぅ」
そっか。山本くんにも私にも先輩フィルターがかかってるんだね。
先輩ってなんか素敵に見えたりするんだよね…。