第13章 ごめんね
2年に進級したけど、私の毎日はまあいつも通り。
変わったことといえば、部活で先輩になったことと勉強がまた難しくなったことかな…。
山本くんは生徒会で副会長になったり、英語の弁論大会に出る準備とかで結構忙しそうにしてる。
…
「来月、全国大会で東京に行くんだ」
お昼休みにお弁当食べてる時、山本くんが私に話す。
「英語の? 東京行くんだ」
「うん。優勝とかはないから楽しんでくるよ」
「めずらしいね。山本くんが一番目指さないなんて」
「俺は勝てる勝負しか勝ちにいかない。ああいうのは帰国子女の為の大会だから。
さやかちゃんお土産何がいい?」
「えー? 東京のお土産って何があるんだろうね?」
「んー? 俺もわからない」
「あはは」
その週の全校集会の時、山本くんが英語弁論大会の地方大会で優秀な成績をおさめたって表彰されてた。
そうだよね。地方大会で優秀だったから全国大会に行くんだよね。
勝ちにいかないとか言ってたけどやっぱすごいな。
…
数学の授業でわからない所があったので、山本くんに聞いてみようと休み時間に隣のクラスに行ってみた。
山本くんはクラスの人とワイワイしゃべってた。女子もいた。
私はそのまま帰ってきた。
1年の時は山本くん、クラスの人とそんなに話さないで本読んでるような人だったのに。
まあ、でも山本くんて人付き合い苦手とか言いつつ、私といる時はよくしゃべるし、生徒会とか弁論大会とか人前で話すのも平気だもんね。
なんとなく教科書持ったままモヤモヤしてたら、席を外していた隣の席の斉藤くんが戻ってきて声をかけられた。
「須藤、休み時間に勉強してんのか? えらいな」
「あぁ、えっと…。わからないとこあって。斉藤くんならわかるかな…」
「ん? どれどれ」
私は斉藤くんにわからない所を聞いてみた。