第4章 思ってたより…
「さやかちゃん口開けて。うん。もうちょい…うん…」
彼に言われて開いた私の唇の内側に、そっと彼の舌先が触れる。
思った以上に柔らかくて熱い感触に、私の身体がビクッとする。
彼の舌がゆっくりと私の上唇を撫でる。
あぁ! 全然どうしたらいいかわからないよ…。
彼の手が私の髪を撫でる。そして優しく言う。
「力抜いて…普通に息して…」
「だって緊張する…」
「大丈夫、俺も緊張してる…」
再び彼の舌が私の唇に触れる。
はぁ…
私の口から小さく吐息が漏れる。
私の下唇が彼の唇で軽く挟まれて、舌でペロペロされる。
んっ…
声が出そうになって彼の腕をギュッとつかむ。
「もしかして気持ちいい…?」
彼が唇をちょっとだけ離して言う。
「んん…わかんない…恥ずかしい…」
正直な気持ちを私は言う。
「うん…可愛い。好きだよ。さやかちゃん…。
あーんって口開けて。舌出して」
あーん…んっ…んんっ…
私のあーんって開けた口に彼の舌が差し込まれる。
彼の手は私の後頭部と背中に添えられて、ビビって引いちゃいそうな私の身体を押さえる。
私の口の中で、彼の舌が私の舌に絡みつく。気持ち…いいのかな?
私の塞がった唇から、ときどき息が漏れる…。
「はぁ…さやかちゃんの口の中…柔らかい…熱い…。ねぇ、もうちょい舌出してみて」
あーん… 舌出すの…恥ずかしいけど…んっ…
彼が私の舌をちゅうって吸う。
「んっ…んあっ…はぁ…はぁ…」
あぁ…これ…あぁ…気持ちい…
塞がれた口から声も漏れる。
身体の奥が震えてくる。彼の腕にギュッとつかまる。
「気持ちいいの? さやかちゃん。俺、気持ちいいよ…」
「うん…気持ちいい…」
目を開けて彼の顔を近くで見る。
山本くん…好き…
彼の舌がまた入ってくる。
今度は言われなくても口を開ける。
唇をすぼめてちゅって吸ってみる。
あ、これ…吸われるより吸うほうが気持ちいいかも…唇がっ…気持ちいい…
「んっ…」
彼が小さく声をあげる。可愛い…。
「えっ?」
彼が急に私をその場に押し倒す。