第4章 思ってたより…
「バスケ部って毎日練習? 今みたいに放課後遊べなくなるかなぁ?」
彼がちょっと寂しそうに言う。
私は思い出しながら考えてみる。
「うーん。割と休みはあるけど…生徒会と休みが合えばいいね。土日にデートしようか」
「学校休みの日に会ってくれるの? デート? どこ行こうか?」
彼が嬉しそうな声で言う。
「映画とか…遊園地とか? なんか普通だけど」
「普通いい! 普通いいよ! デート楽しみ…」
彼が私の身体をぎゅーってする。
ふふ、可愛いなぁ。
「俺もテスト頑張るね。また一番取るから…見てて!」
「うん」
目標値が私とすごく違うなぁ…。
「俺、頑張るから…ご褒美先にもらっていい? しばらくゆっくり会えないし…」
「えっ、ご褒美? 何?」
「ディープキスしてみたい…」
「……」
ディープキスって…舌入れるんだよね…えっと…。
「ダメ?」
甘えた目と声で彼が私の顔を覗き込む。
「ダメ…じゃないけど…」
「けど?」
「どういうふうにすればいいのかな…」
正直言って、普通のキスでもどうしてたらいいのかわからないのに。
「大丈夫! 俺、知ってる。本で読んだから」
彼が得意げに答える。そうなんだ…。