第4章 思ってたより…
私は脱いだスパッツをカバンの中にしまう。
そして教科書とノートを出す。
「テストもうすぐだし…大事なとこもう一回確認したい」
私は平静を装いながら言う。
なんか無駄にドキドキしちゃった。
「うん。そうだね。まかせて!」
彼がなんかいつもより張り切って返事する。大丈夫?
…
でも意外にちゃんと勉強を教えてくれた。
「明日からテスト一週間前だけど…さやかちゃん、一人で勉強できる?」
彼が心配そうに聞いてくれる。
「うん。大丈夫だよ。ノートにいろいろ書いてくれたし。わたしこんな充実したノート初めてかも」
私の言葉に彼はうんうんって頷く。
「わからないとこあったら学校で聞いてね。電話で聞いてくれてもいいよ」
「うん。ありがとう! 心強い」
彼が私をそっと抱き寄せる。
そして優しい声で励ます。
「大丈夫だからね。絶対50点は取れるよ」
「うん」
相変わらずリアルな得点予想…頑張ります。
「あのね…」
ちょっと言いにくそうに彼が話し出す。
「さやかちゃんが毎日マジメに勉強してたから、俺ずっとガマンしてたんだけど…。
今日はチューしていい?」
私も…したかったかも…。
「いいよ…」
そう言って、私は彼の顔を見る。
彼はちょっと微笑んで唇にキスする。
唇がそっと離される。
私はキスした後の顔を見られるのが恥ずかしくて、彼の肩に顔をうずめてギュッと抱きつく。
彼がそんな私の髪をゆっくりなでなでしてくれる。