第4章 思ってたより…
いつものように放課後、山本くんの部屋に行ったとき。
「ねぇ…今日もあれ履いてるの? スパッツ?」
部屋に入った途端、彼に聞かれる。
「えっ…。履いてるけど?」
「じゃあ脱ごうか」
「なんでっ」
意味不明の指示に私は戸惑う。
彼が優しく微笑む。
「だって別に誰もいないよ? 見えても大丈夫だよ」
「山本くんいる…」
「別にわざわざ見ないって。見えたらラッキーとは常に思ってるけど…。
それが見えてもスパッツだったとか! 悲しすぎるって! 俺の気持ちわかる?」
山本くんが熱弁する。
正直、何言ってるのかわからないです。
「ねぇお願い〜。
何もパンツ脱げって言ってる訳じゃないんだよ? スパッツだけ脱いでくれたらいいんだよ?
それで夢が広がるんだよ?」
彼が私の手を両手でギュッと握って、甘えた声でお願いする。
かわい…くないよ?
でも…まあいいかな? それぐらい。
「いいよ」
私は返事する。
「やったー! さやかちゃん大好き! ありがとう!」
彼が私にギュッと抱きつく。
大好きって言ってくれたけど…なんか微妙…。
「じゃあ…脱いで?」
彼が身体を離して私をじっと見る。
「あの…見られてたら恥ずかしいから、ちょっとあっち向いてて?」
「あっ、そうか。はい」
彼が私に背中を向ける。
背中がそわそわして見える。
私はスカートの裾をちょっと上げてスパッツを引っ張る。
片方ずつ脚から抜く。
なんかスースーして恥ずかしい。
パンツはちゃんと履いてるのに。
「脱いだよ」
私はスパッツを背中に隠して、彼に声をかける。
彼が振り向く。
「わぁ…なんか…セクシー…」
彼が嬉しそうに言う。
見た目何も変わってないと思うけど…。