第3章 帰ろっか
「ねぇさやか、山本くんに勉強教えてもらったりしてるの?」
休み時間に友達に聞かれた。
「うん。宿題とかいつも一緒にやってるよ」
「いいなぁ、山本くん学年一番だもんね」
「うん。ふふ」
私は自分のことをほめられたみたいに嬉しくなる。
「じゃあ今度の中間いけるんじゃない? 赤点取らなければバスケ部戻れるんでしょ? 戻るよね?」
「え? どうだろ…いけるかな…。休んでたから…練習とかもついていけるかなぁ…」
赤点取らないように頑張ってたけど、よく考えたらバスケ部に戻れるんだ…。
「練習は大丈夫だよ〜。うちそんなマジな部活じゃないのさやかも知ってるでしょ?」
友達がニコニコして言う。
確かに私、中学の時もバスケ部だったけど、中学の時に比べたら練習は緩いし、先輩も優しい。
わたし的には成績縛りが超厳しいわけだけど…。