第3章 帰ろっか
クラスで席替えがあった。
隣の席がバスケ部の女の子になった。
一学期は休み時間ずっとしゃべっててお昼も一緒に食べてた友達。
別にケンカしたとかハブられたとかじゃなくて、私が話しかけなくなっただけ。
お昼は別の教室で女子バスの子達で集まって食べてるし、私がそこに行かなくなっただけ。
でも、なんとなく気まずい。
と思ってたら。
「さやか、山本くんと付き合ってるの?」
友達が前の呼び名で自然に話しかけてきた。
「うん。そうだよ」
私は答える。
プリントまわして以外で久しぶりに女子と話した気がする。
「そうなんだ〜。山本くんて暗くない? しゃべるの?」
「すっごいよくしゃべるよ〜」
「え〜マジで〜?」
驚くほど自然と会話が弾んだ。
考えてみたらずっと友達としゃべってない気がしたけど、夏休みを抜かしたらせいぜい1ヶ月ちょっとなんだ…。
すごく長い間、一人だった気がするのに。
それから時々、休み時間には隣の席の友達としゃべるようになった。
もう一人の同じクラスのバスケ部の友達も交えてしゃべるようにもなった。
山本くんは気をつかってくれてるのか、休み時間には私にあまり話しかけてこなくなった。
お昼と帰りは相変わらず一緒だけど。